2013/09/13

Kendrick Scott Oracle Live










2013.09.12 2nd set, at COTTON CLUB TOKYO
MEMBER :
Kendrick Scott (ds)
John Ellis (sax)
Taylor Eigsti (p)
Mike Moreno (g)
Joe Sanders (b)


今年Concordから発表された2ndアルバム『Conviction』が素晴らしかったこのバンド、なんと今回は(vocalのAlan Hamptonは居ないとはいえ)オリジナルメンバーでの来日ということで最終日の2nd Setに見に行ってきました。

座席はコットンクラブさんの粋なはからい?でメルマガ割引料金にも関わらずステージ向かって左側の広いボックス席。
席に着いてからステージを見渡すとケンドリックのドラムはツーバス・ツーフロア。しかもツーフロアの間に2つ目のバスドラがあるというセッティング。加えてMac Bookがセッティングされていました。
途中のSEとかドラムにかけるエフェクトも叩きながら操作していたんだろうか。

ライブは1曲目からSufjan Stevensの「Too Much」でスタート。
ボーカルラインをJohn EllisのテナーとMike Morenoのギターが寄り添い合うように演奏してました。
これは今回のライブで全体的に感じたことだけどMike Morenoはテーマをホーンと絡みあうように弾くのが上手い。邪魔はせず、でも主張もあったりハモリにいったりと。サイドマンでの参加が多いのはこういうところにあるのかもしれない。

1stからの「Mantra」、Herbie Hancockの「I Have A Dream」と続けたあとにKendrickが前に出てMC。MCで感じたのは、喋ってる感じがなんだか仲良くなれそうな知り合いの兄ちゃんみたいな雰囲気を持っててこれはファンになるわと。人間性って大事ですね。
「Be Water」は最初のブルース・リーの声のサンプリングも流して、さらにMCで説明までしていたから思い入れの強い曲なんだろう。サックス・ピアノ・ギターがぐるぐるソロを回した「Cycling Through the Reality」はとにかく圧巻。「まだいくか!」というところまで回しても誰も温度を落とさなかったのがすごく印象的で会場も盛り上がってました。

曲によってテナー・サックスとバス・クラリネットを使い分けていたJohn Ellisは今まであまり聴いたことがなかったのだけど、「Too Much」や「I Have A Dream」でのふわふわしっとりした感じできれば、「Cycling Through the Reality」ではバリバリのソロを見せていてこれからすごく需要が出てきそう。というかすでに結構人気らしい。クリス・ポッターの"次"は彼かもしれない。彼とほぼツーフロントのプレイを見せたMike Morenoはやはりシングルラインでバリバリ弾いていくスタイルで、5月の自分のバンドでの来日公演よりも良プレイだった印象。

このツーフロントを抱えたこのバンドのすごいところはそれでもバックがみんなそれぞれに遊んでるところ。

Kendrickはアルバムよりもかなり攻めたプレイをしていて、それは無茶だろみたいなフレーズとか崩しを入れてくるんだけど全然無茶じゃない。僕はほとんどKendrickしか聴いてなかったかもしれないというくらい見入ってしまった。楽器のコントロールはもちろん完璧。このバンドは彼のソロではじまる曲が結構多かったんだけど、指でするような小さい音からサブの大口径のバスドラを踏んだ大きな音まで聴かせられる表現の豊かさはもうすごいとしか言えなかったです。Kendrickがわりと攻めているのにまったく引かないで同じく攻めていたのがベースのJoe Sanders。リズミックなモチーフをつくりながらもKendrickとアイ・コンタクトをしてウォーキングに入るというパターンに何度もやられました。欲を言えば彼のソロも聴きたかった。ピアノの上にセッティングしたシンセで曲の空気感を作ったり、「Serenity」や「Be Water」ではしっとりとした伴奏を奏でたりしていたTaylor Eigsti。でも「Cycling Through the Reality」のソロ回しでは椅子から落ちそうなくらいパワフルなプレイをみせて観客を一番盛り上げたりと様々な面でバンドサウンドの重要な役割を果たしていた。世代的にはAaron ParksやGerald Claytonと同じなんだけどそのどちらとも違う魅力をもっていてこれから注目しようと思いました。

全体的な感想をいうとすごく良く作りこまれているなぁという印象でした。Kendrickの作ったリズムにバックはすぐ反応するし、落とし所やキメは全員バッチリ決めてくる。ギターもシンセもドラムにかけたエフェクトも完璧。

でも僕はなにより談笑しながらステージに登るメンバーの姿や、アンコールでKendrickだけが出てきてドラムを叩いている時にMike MorenoがiPadで写真を撮っていたり、メンバー紹介で "And pianist,.........Taylor?" と笑いをとるようなバンド仲の良さというか楽しそうな雰囲気がすごく良かったです。

次に大きいライブに行くのはWolfgang MuthspielとLarry GrenadierのDuoかなぁ。

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